トマトは夏の野菜だと思っていたが、旬が違う品種もあるようだ。毎年今の時期安くなるトマトがあって、それを私はおそらく楽しみにしている。「おそらく楽しみにしている」と他人事なのは、この季節になるまですっかり忘れているからだ。店頭に並んで初めて、「ああ、今年も食べられるのか」と嬉しくなる。
トマトはオリーブオイルをかけて食べるととても美味しい。自分で見つけたとても美味しいオリーブオイルをかけるととてもとても美味しい。
もちろん、カレーに添えても美味しい。ということで、今回はチキンスープカレーを作った。妻のスープカレーが食べたいというリクエストがあったからだ。
チキンスープカレー
スープカレーというものについて、細かい定義は知らない。なので私が妻に作るスープカレーは水分が多めのカレーのことである。いつものカレーに400mlほど水を加える。それ以上水を加えてしまうと味が薄くなるので(後味にそれが顕著に出る)、限界水分量である。もちろん、調味料の量を増やせばいいのだが、最適なバランスを探す旅に出ることになるので億劫なのだ。
食材
今回カレー自体を作るために使った材料は以下のとおりである。妻と子(3歳)と私の大人換算2.5人前。
- 鶏もも肉:2枚
- 玉ねぎ:1個
- じゃがいも:1個
- にんじん:1本(細かった)
- しめじ:1/4パック
- しょうが :にんにく2片ぐらいをみじん切り
- にんにく :1片をみじん切り
- しょうゆ:大さじ3杯
- みりん :大さじ2杯
- 料理酒 :大さじ2杯
- オリーブオイル:適量
- カレー粉(インデラカレー):カレースプーン1杯
- 水 :400ml
いつもはしめじ以外に舞茸やエノキを入れるのだが、今回はしめじだけにした。面倒だったのと、どうなるか試してみたかったからだ。
作り方
基本的にはいつも通りである。みじん切りにしたにんにくを、オリーブオイルでストウブ鍋で炒め、いい香りがしてきたら玉ねぎ(今回は少し薄めに切った)を投入し、色が変わってしんなりしてくるまで炒め、にんじんとじゃがいもを加える。にんじんとじゃがいもに火が通ってきたと思ったら、しめじを加えて炒める。
炒めるときの火力は春から秋にかけてはとろ火でいいのだが、冬場はとろ火だと一向に温まる気配を見せないので、弱火にしている(炒めるときの火力は一定)。
にんにくを炒め始めるのと並行して、フライパンに鶏もも肉2枚を皮目を下にして並べ、塩こしょうをやや多めに振りかけ、弱火と中火の間の火力で焼く(焼いてる途中は動かさない)。しめじに火が通るころには皮目がいい色になってくるので、皮目を上にして炒めた野菜の上に乗せ、酒、みりん、しょうゆ、水を加えてストウブのふたを閉め、とろ火から弱火の間で加熱し続ける。
1時間ぐらい煮込んだ時点
あとは待つだけだ。正確に測っていないのでざっくりだが、今回は1時間半ぐらい煮込み、いったん火を止めて、息子の分をとりわけ、少し待った後カレー粉を投入し、30分ぐらい煮込んだ。
息子の分。美味しいチキンスープ。これをカレーと伝えて供しているのに少し罪悪感がある…
ポイント
経験則から、3点ほど気を付けていることがある。あくまで経験則なので、まじないに近いかもしれない。
1点目は肉が水分に浸っていないと水分が飛んでパサつく気がするので、しっかり浸している(煮込んでいる過程で浮き上がってきちゃうのは致し方ないので気にしない)。
2点目はカレー粉を投入する前に鍋を少し冷ますこと。味が染みる気がするからだ(ちょっと冷ますぐらいでは実は変わらないかもしれないが)。
3点目は煮込み時間。昔は煮込めば煮込むほど美味しくなると思っていたが、そうでもないようだ。肉はほろほろになるが、水分も失われてパサつくことにも繋がる。鶏もも肉の煮込み時間はトータル2時間ぐらいがちょうどいいように感じる。
仕上げ
あとは皿に盛り付けて、トマトとほうれん草をのせて出来上がりだ。ほうれん草は息子のリクエストである。最近は特にほうれん草が好きらしい。
トマトは1人1個、ほうれん草は1人1株。
なお、ライスはない。たまには食べるが、基本的に必要がない。ライスを食べるために作ったわけではない、トマトを美味しく食べるために作ったのだ(鬱陶しい屁理屈)。
所感
妻には大変好評だった。息子の皿はあっという間に空になったし、私も美味しくトマトを食べられたのでとても満足だ。
このクオリティならば、副業で1日5食限定で作って宅配(業者に依頼)するのはアリなのでは?という儲け心が湧き上がってきたが、計算すればするほど儲からないし(原価が高すぎる)、いろいろ考えるのがめんどくさくなり、思案するのをやめた。
そもそも皆が求めているのは、きっとライスなのだ。ライスがなくて苦情が来るに違いない。そんなリスクは取りたくない。ライスをつければいい?そういう話でもない。我ながら自分が面倒になったので、ここで筆を置く。