雨天時の外出は道が滑るし、荷物が増えるし、行ける場所が室内になるし…ということで子どもとお出かけする日はもっぱら晴れた日にしている。「どうしても」という日であれば行かざるを得ないが、そんな用事は滅多にない。
ここのところの連休は台風続きだったので、カレーでも作ってのんびり過ごそうと思っていた。なので、息子にいかに台風が恐ろしいかを説き、外出が難しいことを伝えたのである。彼の返事は
「あめがふってなかったらどうする?」
だった。このような問いを返す時、雨が降っているときの対応については納得している。私は雨が降り続けることをほとんど確信していたのだが、どおようなケースでも万一の場合に備えるのは非常に良い心がけである。台風が逸れて危険がないようであればお出かけをしようと伝えた。
台風とカレー
朝は早くに目が覚めた。雨足が強まっていることを確認し、私はカレーを作り始めた。お昼に食べようと思ったのである。間に朝食を挟み、一通りの仕込みを終えたところで息子が窓から外の景色を眺めてこう言った。
「みてー!あめやんでるよー!ハンバーガーたべにいくよー!」
そんな馬鹿な。先ほどまで心地よいほどの雨音を響かせていたではないか。私は息子の背中越しに外を見ると、確かに雨は降っていない。しかし、空はどんよりとしており、今にも再びの雨を降らせようとしているかに見えた。
私はそのことを淡々と伝えてみたのだが、息子は台風が逸れているのか、行きたい場所に行く際に危険はあるのかということを訪ねてきた。おそろしく記憶力がいい息子である。しっかり、私の言ったことを覚えている…。
天気予報を調べたところ、通り雨はありそうだが、台風による危険がなく、この先天気は快方に向かうことが確認できた。となると、行くしかあるまい。
カレーは夕食にスライド
というところまで書いたところで、3か月経ってしまった。なので、こんなこともあったなあという記憶を頼りに、その時に作ったカレーの写真を探した。
朝作っていったん寝かせて(冷まして)おくと、味に深みがでて美味しい気がする。季節の野菜のナスとカボチャはとてもおいしい。この野菜を食べるためにカレーを作っているようなものだ。
ここからしばらく、休日のお昼は息子との外食が続き、カレーは専ら夜になってしまったと朧気ながら記憶している。朧気ながらでしか覚えられないぐらい、休日は息子とお出かけをしていたので、どれがいつの記憶なのか正確に把握できないでいるのだ。
そして、それを「正確に」覚えている必要もないと思っている。「楽しかった」思い出であればそれでいいのだ。そして私は楽しい時をこれからも過ごしていきたい。