ストウブ鍋を手に入れ、カレーを現在のように作るようになるまで、骨のついた肉は購入する選択肢になかった。硬いし骨が邪魔だからである。お店のメニューにあっても骨が邪魔だし、可食部が少ないような気がして注文しなかった。
しかし、ストウブ鍋で煮込むことの感動を手に入れた私は、あらゆる肉を煮込みたい欲に駆られて現在に至り、手羽元やスペアリブを嬉々として購入するようになってしまった。人生とは不思議なものである。
スペアリブカレー
ということで、我が家では近所のスーパーでスペアリブが特売になっているのを見つけると購入し、カレーにする習慣ができた。スペアリブカレーを作った写真をTwitterにアップしたら「ああ、スペアリブが安かったのね」と思っていただければいい。
スペアリブでカレーを作るときに気を付けていることは、煮込み時間である。もちろんスペアリブに限った話ではないが、肝心なところは火力と煮込み時間だと思っている。
まずは塩コショウで下味をつけて焼くところから始まる
事あるごとに書いているかもしれないが、肉によって最適な煮込み時間は異なる。その絶対解を肉毎に得ているわけではないのだが、なんとなくのあたりはつくようになった。それを厳密に定義しない「あそび」の部分を楽しみつつ「今日はちょっとに混みすぎたな」「今日は最初に焼きすぎたかな?」「今日は気温のせいかな」などと脳内感想戦に耽ることがカレー作りの楽しみの一つかもしれない。
煮込み時間
では、スペアリブの最適な煮込み時間は如何ほどか?最近の見解では前日夕方に作って3時間ぐらい煮込んだ後、一度冷まして翌朝から昼まで3時間ぐらい煮込むといい気がしている。
一度冷ますのは味をしみこませるという目的もあるのだけど、余計な脂を取り除く機会を得られるからでもある。スペアリブはそれなりに脂があるので、翌朝加熱しない状態で鍋の蓋を開けると、表面に白い脂が浮いている。これをスプーンでごっそり取り除いてしまってから、再び煮込んでいる。そうすると脂臭さが減って味もシャープになる…気がしている。
この作業をやる度、以前テレビで見たある飲食店の特集で、カレールーを使って大量のカレーを作るが、作ったその日は提供せず、その翌日に固まった脂を取ったものを提供してるから「くどくなくてマイルド」みたいなことを言っていたことを思い出す。そもそもカレールーを使わなければ…なんて思ったのは私だけではないはずだ。
完成
じゃがいもは煮込みすぎると溶けてしまうので、朝再び煮込んだ時点で投入した。溶けてドロッとしたのもそれはそれで美味しいのだけど、今回は形が残ったものを食べたかった。
骨から肉が取れても骨はそのまま煮込んでいる
前日から煮込んでいたので、息子はことあるごとに「すぺぱぴぷカレー楽しみだね!」と言っていた(朝起きた時も「パパ、お昼はすぺぱぴぷカレー?」と問われた)。言い間違いも面白いが、楽しみにしてくれていることがなにより嬉しかった。
カボチャ2種とエリンギを焼き、トマトとレタスを添えて食べた。今回もとても美味しくできたと思う。トマトは美味しい。本当に美味しい。
話は変わるが、ずっと牡蠣でカレーを作りたいと思っているのだけど、作ろうと思う度に他の肉の特売と巡り合うのでなかなか作ることができない。「作るな」ということだろうか。